ピザはもちろん、パスタによし、グラタンやシチューによしなタバスコ。
辛党かつ酸っぱ党のしづきは、これが好きすぎてひと月に一本程消費してしまいます・・・。
(カップ麺や炒め物の残りでご飯を食べる時など、とにかく味変にうってつけです!)
では、この好きすぎる液体はそもそもどういうものなのか。
調べていくうちにかなり種類があること、どうやら自作できそうな事が分かりました。
これは全部集めなければ!という謎の使命感に燃えた私は、どうせなら自作もやってみようと筆を執った次第です。
まずはタバスコの基礎知識から。
目次
タバスコって何?
タバスコは、メキシコ・タバスコ州原産の唐辛子「チレ・タバスコ」をすりつぶし、穀物酢と岩塩を加えた上で3年間発酵熟成させたペパーソースです。
極めてシンプルな製法で、その作り方を見ると味噌や豆板醤の仲間であることが分かります。
製造開始から153年という大変な歴史があるタバスコですが、基本的な製法は変わっていません。
一番有名なタバスコと言えば、真っ赤な液体が特徴の「タバスコペパーソース」ではないでしょうか。
酸味の後に辛さがきて、唐辛子の野菜としての甘みがほんのりと顔を出す・・・。美味しいですよね・・・。
その他にもいろいろな種類のタバスコが販売されており、使っている唐辛子の種類や材料がそれぞれ異なっています。
バリエーションは7種類。
このうち1つは食べる機会があったのですが、他の5種類は味の想像もつきませんでした。
全部集めてみましたので、早速テイスティングします!(結構楽しみでした)
タバスコ全種類の違い
待ちに待った食べ比べの時間です!
早速色々なものにかけて食べたいところですが、同じものにかけなければ違いがわからないのでは?と思いました。
そこで今回用意したのがみんな大好きペペロンチーノ・・・ではなく、そこからにんにくと唐辛子を除いたアーリオオーリオ。
折角スパイシーなタバスコを試すのに、元から香辛料が豊富に入っている料理では判断がブレそうですので、塩とオリーブオイルだけのシンプルな味付けにしました。
(にんにくもいれたかったのですが、ガーリックソースがあったので苦渋の決断をしました。)
タバスコペパーソース
オーク樽で3年間じっくり熟成された昔から変わることのない製法どんなお料理も美味しく帰るホットソースのスタンダード。
原材料:食酢、赤唐辛子、食塩
推奨料理:ホットドッグ、パスタ、ピザ、ソテー など
パッケージテキストより引用
「いつものタバスコ」です!
この味わいでタバスコの虜になりました。
7種類の中では一番酸味が強く、どんな味の料理でもキリっと引き締めてくれます。
最近かけて食べたものの中ではヤマザキのハムエッグパンが抜群にこの酸味と合いました!
タバスコハラペーニョソース
まろやかな辛さとジューシーな風味がさわやかにお料理を彩ります。
原材料:食酢、ハラペーニョペパー、食塩、コーンスターチなど
推奨料理:貝料理、カルパッチョ、シーフードサラダ など
パッケージテキストより引用
よく見るタバスコとは全く異なる鮮やかな緑の外見をしています!
私がタバスコペパーソース以外に唯一頂いた事があるタバスコで、その時はオイスターバーで生牡蠣と一緒に頂いたことをいまでもよく覚えているくらい印象的でした。
ペパーソースと比べると酸味も辛さも控えめで、その代わりにコショウのようなスパイシーさとライムのような果実感が食の味わいを深めます。
その香り高いスパイシーさは推奨料理に書かれている通り、魚介系の料理と合わせると特に真価を発揮するでしょう。
近いうちに鰹のたたきと付け合わせて一杯やりたいと思います(笑)
※やりました。
タバスコスコーピオンソース
純粋な辛さへのこだわりから生まれたタバスコスコーピオンソース。
その辛さはあのタバスコペパーソースの10倍。
サソリの針の形に由来するスコーピオンペパーを使い、燃えるような辛さでありながら、サッと引く一瞬の刺激。
"ピュア・ホット"純粋な辛さは料理を選ばない。
それは美味しい一撃、スコーピオン。
原材料:スコーピオンペパー、食酢、砂糖、グァバピューレ、パインアップル、食塩、グァバパウダー、パインアップルパウダー、ペパーソース
パッケージテキストより引用
真っ黒なパッケージはどこか不吉なものを想像させますね(笑)
液体の色はペパーソースよりちょっと赤黒い印象をうけました。
ペパーソースの10倍の辛さと聞いて少し身構えていますが、早速食べてみる事に。
後述のチポトレソース位、スモーキーな香りと甘みg・・・辛ッ!!!!!
唐辛子の辛さあるあるの後からくるヤツが、香りを楽しんでいた私を襲いました。
体感だとデスソースよりちょっと辛いイメージですね。
パッケージにある「燃えるような辛さ」は本当にその通りなのですが、サッと引くかと言えばそんなこともありませんでした。
その後に残る辛さは「ペヤングの獄辛」のような後味ですが、初手にくるスモーキーさも相まって、食欲にインフレが起こりそうです。
辛い物好きな方には是非一度お試し頂きたい一本に仕上がっていますね!
タバスコハバネロソース
ハバネロペパー&南国フルーツがとびきりホットな旨さを引き出す。
原材料:食酢、ハバネロペパー、砂糖、ペパーソース、食塩、各ピューレ(マンゴー、オニオン、バナナ、トマト、タマリンド、パパイヤ)にんにく、ペパーマッシュ
推奨料理:チリコンカン、カレー、麻婆豆腐 など
パッケージテキストより引用
液体の色はペパーソースと変わりませんが、黄色いパッケージはどこか陽気な気分を彷彿とさせますね!
また、ハバネロと言えばジョロキアの次に辛さで有名な唐辛子ですので、陽気な見た目に騙されるまいとちょっと身構えながら頂きます。
早速食べてみると酸味はそれほど強くなく、フルーツの甘みと風味が口の中を満たしたかと思うと急に辛さが追い上げてきました。
スコーピオンほど辛くはなく、ハバネロ特有の風味がじんわり広がります。
辛さも結構すぐに引きますし原材料からも見られるチャツネ感は元々がスパイシーなカレーに抜群に合う事は間違いないでしょう。
タバスコガーリックソース
唐辛子に風味豊かなガーリックをプラス。その絶妙なブレンドが、お料理にマイルドな辛さとリッチな風味のアクセントを添えます。
原材料:赤唐辛子、食酢、食塩、にんにく
推奨料理:パスタ、カクテルシュリンプなどのディップ、餃子 など
パッケージテキストより引用
原材料を見ても液体の色を見てもわかる通り、これぞタバスコというイメージを持ちました!
王道のタバスコペパーソースから派生したように思えるタバスコガーリックですが、そのお味はどうでしょうか。
食べてみて最初に感じたのが「あんまりニンニクの主張が強くなく裏方に徹している」でした。
ペパーソースと比較してみると酸味はそのままに辛さが若干控えめで、後味にふんわり残るニンニクの風味が絶妙です。
今回のようなアーリオオーリオにかけると、そのままペペロンチーノになりますね(笑)
タバスコの使用シチュエーションが後がけの調味料という事を考えると、その味一色にならないように上手く工夫されているんだなあと感じる、技ありの一本だと思います。
ちょっといい肉が手に入った時に塩コショウと、このタバスコガーリックソースで頂いてみたいです・・・!
タバスコチポトレソース
真っ赤に熟したペパーをじっくりスモークしました。深い味わいと辛さがお肉料理をコクある美味しさに。
原材料:チポートレイペパー、食酢、食塩、砂糖、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、香辛料、ペパーパルプ
推奨料理:チキンなどソテーの下味、ソーセージ、ソースの下味 など
パッケージテキストより引用
ペパーをスモークした商品と聞いて、その類を見なさに心が騒ぎました。
液体は中濃ソースのような茶色をしており、いままでのタバスコソースとは全く違った様相を呈しています。
一口食べてみるとその濃厚な旨味とスモーキーな風味に驚きました!これ美味しいです!
味はBBQソースにもう少し酸味を足した感じで、辛さは全く感じられません。
これまでのタバスコとは全く違う方向性になっており、これだけで味付けができるくらい味が濃いです。
肉料理をとにかく推奨しているようですが、串カツやアジフライなどの揚げ物、カマンベールチーズと組み合わせても美味しいんじゃないかと思います。
タバスコしょうゆソース
本醸造しょうゆをベースにしてスパイシーに仕上げました。和食はもちろん、あらゆる料理に合うピリッとした風味はグルメが選ぶ最上のパートナーです。
原材料:醤油、ペパーソース、アルコール
パッケージテキストより引用
これまた味付け調味料のようなタバスコが登場しました!
見た目も色もしょうゆそのもの。タバスコの名前を冠するこの液体はどんなお味なのでしょう。
Theしょうゆ。
これはしょうゆです。辛さは皆無で、タバスコっぽさも全くありません。
むしろお上品なお味の醤油で、スパイシーな感覚は感じられませんでした。
若干の甘みと奥深さを感じますので、刺身醬油のような使い方で馬刺しやイカのお刺身と相性抜群だと思います。
面白い経験をした気持ちです(笑)
タバスコペパーソースを自作する!
このタバスコジャンキーっぷりが周知の事となったと思います。
そんなしづきですが、調べている段階で良からぬ事を思いついてしまいました。
「これだけシンプルな製法ならば自作できるのでは?」
思いついて調べ終わった時には、Amazonで冷凍唐辛子をポチっていたしづきなのでした・・・。
めでたしめでたし。(終わりません。)
さて、タバスコペパーソース風を自作するにあたり、参考にさせて頂いたサイト様を紹介させて頂きます。
男の趣肴様
料理を趣味とする人なら一度はやってみたい「イチから調味料をつくる」事を片っ端から実践されている方です。記事はどれも濃厚かつ具体的なもので、3時間に渡って熟読できる大変好奇心をくすぐられるサイトです。いつもお世話になっています。
では早速作っていきます!
手順
用意するもの
・唐辛子200g(今回は冷凍を使いましたが、乾燥唐辛子を戻す事も可能なようです)
・酢100g
・塩6g
・すり鉢/すりこぎ
・密封瓶
・十分な時間と元気
発酵食品を作るという事で、キッチン周辺を綺麗にして消毒するところから始めました。
また、使用する調味器具に関しても煮沸消毒を行い、適宜十分な手洗いを実施しています。
①唐辛子200gを解凍し、へたと種を取り除く
参考にした記事によると、辛み成分がつまっているワタを取り除かないようにするとベストとのことですのでかなり心がけました。
冷凍唐辛子を使用していたこともあり、1本あたり20秒程時間がかかるため全ての種を取り除くのに1時間近くかかってしまいました・・・。
おそらく冷凍のものを使用しなければここまで時間がかかることはなさそうです。
おまけに素手で作業していたため、作業後は何かに触れるたびに指先に「熱い感覚」を感じる事になるという悲劇にも見舞われました(笑)
唐辛子を長時間触る際はゴム手袋必須なのだと、大変勉強になりました。
②皮が無くなるまですり潰す
種を取り終わり、すりやすいように刻んだ後に量を見たら手持ちのすり鉢だと到底擦り切れないだろうと悟り、急いでホームセンターで調達してきました。早速擦り始めます。
↑10分後
粘り気が出てきて、段々すりこぎやすくなってきました。
手首が痛くなってきた頃に、もう少し細かく刻んでおけばこの段階になるのはもっと早かったんじゃないかと早くも後悔が漏れ出ます。
↑20分後
水分が抜けて体積が減ってきました。予定ではこのくらいの時間で擦り終わるハズでした。
大きめのすり鉢と擦りこぎは結構値が張った事を思い出し、これだったら安いミキサーを買えたなと反省会をしていました。
↑30分後
味噌みたいな粘度になってきましたが、皮はたくさん残っています。
単純作業をずっとしていると取り留めのない考え事をしてしまいますよね。
コロナ禍はいつまでだとか、戦争と経済はどう関連していくのかとか、猫の可愛さは異常だとか。
ちょうどお腹も空いてきた頃ですし、ここで一度休憩を取る事にしました。
↑40分後
粗い皮を残して、しっかりペースト状になってきました。
ご飯を食べて正常な思考に戻った私は、すり鉢の使用例を考え、次は蕎麦を実から作るのはどうだろうとか考えだします。
↑50分後
まだ薄い皮は残っているものの、十分流動体になりました。
このあとは裏ごしする工程があるようですが、粘度が結構高い為省略することに。
③酢と岩塩を入れて密封容器に
ようやく地獄のすり潰し作業を終えました。
そのあとは酢と塩を加え密封容器で発酵させる工程です。
ここで現時点での味見をしてみたところ「ただ辛いだけの唐辛子汁」の様相でした。
意外な事に酢の酸味は全くなく、唐辛子の辛みも遅れる事なくすぐにやってきました。
タバスコ特有のとろみも甘さもありませんでしたので、改めて発酵の偉大さを思い知らされた次第です。
④6週間後完成
適宜シャッフルしつつ、6週間熟成させます。
果たして無事発酵して美味しいタバスコ風ペパーソースができるのか!それとも腐敗してしまうのか!楽しみで朝も起きられません。
なお、熟成中の様子は日ごとにTwitterに投稿しようと思います。
当記事でも1週間おきに様子を更新する予定ですので、無事にできるように祈って頂けると幸いです!
1週間後
真っ赤でザラザラしていた唐辛子でしたが、色は淡くピンクがかって見えるようになり、ザラザラ・ドロドロしていた液体ももったりと流れる程度の流動体になってくれていました!
1週間で結構な変化をしましたが、「これは腐敗じゃないよね・・・?」という不安で胸がいっぱいです(笑)
ちなみに工程では書き忘れていましたが、発酵を促進させるために冷蔵庫ではなく、温度がほぼ一定の常温であるキッチンの隅っこの方で保管しています!
2週間後
流動体部分が増えて、順調に熟成が進んでいる事を実感しました。
この頃になると、2日に1度ほどしか変化を感じられず、私の体調とか気分次第で状態が変わる説も浮上してきたので大変でした(笑)
サラサラの部分はもうタバスコそのもの。
ここだけちょっと味見してもいいんじゃないか?そんな内なる悪魔のささやきに耳栓をする思いです。
この時期にTwitterで仲良くしてくださっているフォロワーさんが青唐辛子で自作タバスコを始められ、別例を見せて頂ける機会があってとても参考になりました。
自作タバスコ談義をする中で、発酵中のタバスコはインテリアにもなり、信仰の対象にもなる事が分かりましたので、あなたもれっつ自作タバスコです!
3週間後
期間の半分が過ぎたので意を消して密封容器を開けて味見してみる事にしました。
蓋を開けた時、タバスコペパーソース特有のふわっと香る酸味に期待を隠せませんでした。
見た目は同時期に出会ったハリッサのような固形が目立つペースト状でしたが、味はこの時点でもうタバスコペパーソース。
しかし、それは最初だけで後味は本家に比べると断然の辛さが目立つ結果となりました。
唐辛子特有の甘みも残っていたので「新鮮なタバスコ」といった所感です。
「そんなのタバスコじゃない」とも思いますが、これはこれで美味しいのでヨシとします(笑)
ともあれ、無事発酵が進んでいるようで安心しました。
4週間後
準備中
5週間後
準備中
完成
準備中
まとめ おすすめのタバスコランキング
タバスコ全種類のテイスティングと、自作タバスコをつくってみる回でした。
自作タバスコはうまくいくか心配ですが、初めての発酵調味料づくりですので楽しみながら作業ができました!
適宜更新しますので、是非ご覧になってくださいね。
では、最後に個人的おすすめタバスコランキングベスト3を発表したいと思います!
ここではペパーソースを対象外とさせていただきました。
3位・・・ ハラペーニョソース
辛さは控えめなものの、その薫り高さは特に魚料理のポテンシャルをグンと引き出してくれるでしょう。
また、他の調味料との組み合わせる時にもまたとない調理体験ができそうと感じました。
辛い物があまり得意でない方も美味しく召し上がれることも加味し、是非お試しいただきたいと思います。
2位・・・ スコーピオンソース
抜群な辛さとスモーキーな薫り高さを両立させた唯一の調味料だと思います。
パッケージの仰る「純粋な辛さは料理を選ばない」は真で、これを使えばどんな料理も辛党のお眼鏡にかなうもの、かつ、芳醇な香りを楽しませてくれる事は間違いないでしょう。
少しだけ辛い物は食べられる、もしくは好きだというライト層の方にはあまりおすすめできませんが、激辛党の方は一本家に置いといて損はありません。
1位・・・ ガーリックソース
タバスコに期待しているもののすべてが詰まった一本です!
辛さはピリッとする程度ですが、圧倒的に正統派なその酸味には待ってましたと舌がうなります。
なんといってもにんにくが悪目立ちせず、絶妙な立ち回りをしていることが汎用性を高めており、誰にでもお勧めしたい一本です!!
ランキング化してみたはいいものの、チポトレもハバネロも非常に美味しく、正直甲乙がつけがたいタバスコシリーズでした。
あくまでも私が「タバスコに求めているもの」そしてそれを人におすすめしたいかでランクを付けた感は否めません(笑)
どれも本当に料理の味を引き立たせるものばかりですので、料理に応じて使い分けるのが一番イイという月並みな結論付けをして結びの文とさせて頂きます。
今回の検証はめちゃめちゃ楽しかったなあ(笑)